コレクション用語・セル画編

ここはわたしの知っている範囲で書かれていますので、間違いがあったとしても、笑って許してください。 気の向いた時に更新していきますので、気長に見守ってほしいのにゃ。 (文責:このページで特に注意書きが無いものは「どら・きらこ」)

*セル画/ ・本編使用セル画/ ・背景つきセル画/ ・色指定セル画/ ・版権セル画/ ・同人セル画/ ・リプロダクションセル画 複製セル画/ ・リライズセル画(リレイズセル)




*セル画

 アニメーションを作る際に、主に動いているキャラクターは、セル画で表現されている。
専用の透明なフィルムにセルカラーと呼ばれる専用の塗料で彩色されたものをいう。
例えば、自分の好きなキャラクターのセル画が欲しいと言ったりするのは、このセル画自体が、実際の撮影に使用された、被写体であるためである。
実写映画のプロップ(撮影小道具)に相当するものとして、また特定のキャラクターに思い入れを持つ者にとっては、「声」以外で現実との接点を感じ取れるアイテムなのかもしれない。

現在セル画は大きく分けて以下のものが取引されている。

・本編使用セル画
実際に撮影されたセル画をいう。
現在一般にセル画といっているのは、これである場合が多い。
セル画には下書きに相当する「動画」があるのだが、これが付いているとコレクションアイテムとしては価値が上がる。
取引されている物量から、ネットオークションが現在では最も幅広く入手できる市場ではないかと思う。
以前は、イベントや、劇場映画の配布、雑誌、ファン倶楽部のプレゼントや、 コレクター同士の交換会で流通していたようである。
それ以外では、「うる星やつら」の当時、セル画窃盗もあったそうな。
近年では某古書店での、○―ラームーンのセル画裁判も記憶に新しい。
こうした窃盗の結果、市場に流れているものも、あるのだろう…。
セル画撮影が一般的だった当時は、在宅で彩色を行う仕事もあった。
制作に専門技術が必要であるとはいえ、人気作品では偽物も、多くあるようだ。
動画が付いていない場合も、前の持ち主が記念に抜いた、あるいは放出した制作スタジオが残しておいた等あるので、 一概に動画無だから偽物ともいえない。(※脚注1


・背景つきセル画
アニメを意識して見ると、画面に色ムラの無いセル画とは別に、その背後にある風景画にも気が付くことでしょう。
一部例外を除いて、アニメの画面の背景は動かす必要が無いことから、 水彩やポスターカラー、また近年ではパソコン上で作画された「止めの絵」を使用します。
当然、各カットごとに(全面セル画をのぞいて)最低一枚、背景が必要となります。
逆を言えば、おおよそ、カットごとに一枚背景があるわけです。
そのカットでどんなに人物やメカが動いたとしても、つまり大量のセル画が存在したとしても、 背景と組み合わせることで画面が完成する「背景付きセル画」は一組しかありません。
これが、作品にとって重要な見せ場や、印象的なシーン、お気に入りの場面だったりしますと、 コレクターにとってこれ以上のカットはありません。
まさに、世界にたった一枚だけの、「あのカット」が手元にあるわけですから!

…となるわけです。

関連して、BOOKと呼ばれるものもあります。
これは、セルに背景用の絵の具で直接着色したものや、画用紙に描かれた部分的な絵をセルに貼り付けたものをいいます。
例えば、ある人物が森を歩いているとします。
そして、カメラはその人物を横から追っているところです。(FOLLOW SHOTといいます)
当然ながら森の中にいるわけですから、その人物をカメラが追う中、人物の手前に木が通り過ぎることがあります。
アニメの場合、一番下に背景である森の絵を置き、その上に人物のセル画を置き、歩いているさまを一コマずつ撮影します。
そこで、前で述べた手前の木が登場するわけです。この場合木は、動きのある人物とは違い、実際は止まっているのに画面上、 「動いて見える」状態にあります。
そこで、セル画に描いた木を出してしますと、視聴者は先入観からセルで描かれた物は動くのではないか、 という意識を持ってしまいます。
演出上、その木が、森を通り過ぎる時の奥行きの表現のためだけに出てきたのであれば、視聴者には人物とカメラが距離を置いて、 その人物が森を歩いているという感覚を持たせる必要があります。
そのための木なので、あえて背景と同一の質感で描くわけです。
そしてこういった演出上の必要に応じ、画用紙に作画した木を横長のセル画に、木の部分だけ貼り付けて使用します。
このようにして制作された素材が、「BOOK」です。

・色指定セル画
キャラクターの色を指定の人が決めると、設定画や原画を元に、実際に着色されます。
これは主に、仕上げの人(セル画を塗ってるスタッフ)への見本として制作されることが多いものです。

・版権セル画
版権物、いわゆる雑誌のポップや、関連グッツのイラストのように書き下ろされた物をこう呼びます。
キャラデザイナーや作監クラスのうまい原画マンが担当するケースが多いので、絵的にとてもきれいです。
ゆえに、高額で取引されています。
当HPのセル画展示コーナーにも版権セルがありますので、参考になさってください。

・同人セル画
表向き、ファンが個人的に好きなシーンや、ポップからセル画に起こされたものを言いますが、
ネットオークションなどで、利益を目的として作られているものも多く出回っています。
これらは当然無許可の商品ですので、同人セルの売買は著作権侵害に当たります。

・リプロダクションセル画 複製セル画
これは、版元が許可した正規の複製セル画です。
一枚の動画から複数のセル画が作られるために、(当然動画は付かない)
昔からのセル画コレクターには受けが悪いようです。

・リライズセル画(リレイズセル)
 近年ではアニメのデジタル化にともなって、新作のセル画が無いため、国内市場は先細りの傾向になっている。
セル画コレクターからは目の敵にされている、「近年デジタル化されたアニメ」とは、 コンピュータ上で、上記の彩色作業を行う以外にも、作画、編集、編集も出来るようになっている。
利点としては、色の塗り間違え、塗料の乾きに要する時間、仕上げの少数化など、時間、 人的、金銭面でのコスト削減に効果をあげている。
 一方で、ただ単に制作費の切り詰めに使われると、採算の合わなくなった製作現場は、今まで以上に作画、仕上げを海外委託し、 シナリオや絵コンテ、演出といった作品の根幹を素人同然の若手に回し、 結果として、クオリティーの低い作品に仕上がってしまう。
ディズニー作品では、セル画は、実使用された本物から、同じ色彩、材料で再現された「複製セル画」まで市場が確立され、 世界規模で有名な日本製アニメとは比較にならないような高額で取引されている。
国内では、スタジオジブリや、プロダクションIG、マッドハウス制作のアニメ作品のセル画が、比較的高値を付けている。


いずれにしても、これからセル画をコレクションしようと思っている方は、購入前に可能な限り、 セル画、その作品の制作当時の状況など、知識を持って臨まれたほうがいいと思います。
では!

※本文注釈
1:これはよく勘違いされることなのだけど、 ある事象が「起こりうる」ことと「実際に起こっている」ということには大きな差があります。 つまり、「セル画は複製が可能である」→「だからこれは偽物である」とか、 「セル画は盗難によって流出することがある」→「だからこれは盗品である」 という論法は成り立ちません。
掲載の取りやめの要求や、盗品などの返還要求、「これは偽物だ」というような異議申し立てをする際は、 申し立てる側が根拠となるソースを用意する必要があります。(文責・ジョゼ)

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